楽天モバイルの通信速度は、「5Gが入る場所では速い一方、場所・時間帯・端末・建物内条件でブレやすい」という“振れ幅の大きさ”が最大の傾向です。実測データ系の公開レポートを見ると、東京都など都市部でも平均値は一定水準を出しつつ、5G領域では高い数値が出る一方、全体(4G含む)では他社に譲る場面がある、という構図が読み取れます。

通信速度の傾向を語るとき、初心者がいちばん知りたいのは「結局、体感として困るのか?」だと思います。そこでこの記事では、(1)公開されている実測レポートで見える“全体像”、(2)速度が上下する典型パターン、(3)東京生活(通勤・屋内)での現実的な評価軸、(4)速度が出ないときの対策、という順で整理します。

ただし最初に前提として押さえたいのは、スマホ回線の速度は「キャリアの平均値」よりも、「自分がいる場所の電波状況」「時間帯(混雑)」「端末の電波性能」「使っている周波数(4G/5G)」の影響が大きいという点です。平均が速いキャリアでも、自宅が弱ければ不満になりますし、平均が普通でも行動範囲で5Gが安定して入れば満足できます。だから“楽天モバイルは速い/遅い”を一言で決めるのではなく、「どんな条件でどう変わるか」を知るのが、失敗しない見極めになります。

ここから「楽天モバイルの通信速度傾向」を、なるべく実務的(=乗り換え判断に使える)に掘り下げます。


公開データから見える全体像

楽天モバイルの速度を客観的に見る方法として分かりやすいのが、(A)スピードテストの集計サイト、(B)専門分析(Speedtest IntelligenceやOpenSignalなど)のレポートです。ここでは、直近の代表例として「みんなのネット回線速度(みんそく)」と「Ookla(Speedtest Intelligence)」に出ている数字から、傾向だけを抽出します。

みんそく(実測平均)から分かること

みんそくの「携帯回線 楽天モバイル(キャリア)」のページでは、直近の測定結果を集計した平均値として、下り(ダウンロード)約120.8Mbps、上り(アップロード)約19.7Mbps、Ping約44.5msといった値が掲載されています。
この数値が示すのは「日常利用で極端に遅い平均ではない」という点で、SNS・地図・Web・HD動画視聴レベルなら十分に成立する可能性が高いレンジです。
一方で、同ページでは速度ランキング上の位置づけにも触れており、ここから「平均値だけを見ると他社より強いとは言い切れない」という示唆も読み取れます。

ここで重要なのは、こうした集計は“利用者の測定条件”が混ざっているため、同じキャリアでも「測った人が多い地域」や「測った時間帯」に引っ張られる、という点です。したがって、平均値は「ざっくりの目安」であり、最終的な判断は「自分の生活圏」での体感確認が必須になります。

Ookla(Q3 2025の中央値)から分かること

Ooklaの日本の5Gネットワーク性能分析(Q3 2025のSpeedtest Intelligenceデータ)では、全技術(All technologies)合算の中央値でSoftBankが上位、Rakuten Mobileは中央値ダウンロード速度52.45Mbpsと示されています。
同じ記事内で、5G領域の中央値ではRakuten Mobileが強く、5Gの中央値ダウンロード速度128.39Mbps、5Gの中央値アップロード速度22.34Mbpsといった数値が掲載されています。
つまり「4Gも含めた全体勝負」だと突出しないが、「5Gが使える条件」では強い、という傾向が読み取れます。

この構図は、ユーザー体験に直結します。5Gが安定して掴める生活圏なら“速い楽天”になりやすく、4G中心の生活圏や屋内中心なら“普通〜混雑時に厳しい楽天”になりやすい、ということです。


楽天モバイル速度の「傾向」を一言で整理

楽天モバイルの通信速度傾向を、利用者の体感に落とすと次の3行になります。

  • 5Gが安定して入る環境では、体感が良くなりやすい。
  • 全体(4G含む)では、平均・中央値が“そこそこ”に落ち着きやすい。
  • 条件による上下(振れ幅)が大きいので、時間帯と屋内環境で差が出やすい。

この「振れ幅」こそが、楽天モバイルの評価が割れやすい最大要因です。ある人は“動画も余裕”と言い、別の人は“昼に遅い”と言うのは、同じ回線でも掴んでいる電波条件が違うからです。


速度が上下する典型パターン(なぜブレる?)

ここでは、楽天モバイルに限らずモバイル回線で起こる“速度ブレのメカニズム”を、楽天モバイルの傾向に寄せて説明します。なお、ここで言う「速い/遅い」は、計測アプリの数値よりも「体感(動画が止まる/止まらない、SNSが引っかかる/引っかからない)」に重点を置きます。

1) 5Gが掴めるか、4G中心か

Ooklaの分析でも示されているように、楽天モバイルは5G領域の速度が高く出る傾向が見えます。
つまり、同じ人でも「屋外で5Gを掴んでいるとき」は快適になりやすく、「屋内で4Gに落ちたとき」は普通〜やや物足りない、という“落差”が生まれます。
この落差が大きいほど、「楽天は速い」「楽天は遅い」という評価が人によってブレやすくなります。

2) 屋内・地下・奥まった場所で落ちやすい

モバイル電波は、壁・金属・コンクリート・地下空間で弱くなります。これはどのキャリアでも同じですが、生活の中心が「屋内・地下」だと“回線の弱点”が出やすくなります。
したがって「家で動画が止まる」「オフィスでSNSが重い」は、回線の平均速度よりも、屋内電波の掴みやすさの影響が大きいケースがあります。
この問題は、速度テストの平均値を見ても解決しないので、必ず自宅・職場での実測確認が必要です。

3) 混雑する時間帯(昼休み・夕方)で落ちやすい

昼休みや帰宅時間帯は、基地局が混雑しやすく速度が落ちることがあります。これはモバイル回線の宿命ですが、ユーザーが多いエリアほど顕著です。
みんそくのように多様な測定結果を集めるサイトは、混雑時の測定も含まれるため、平均値にはそうした影響も混ざります。
つまり「普段は速いのに、特定の時間だけ遅い」という場合、回線品質というより“混雑”がボトルネックになっている可能性があります。

4) 端末の違い(アンテナ性能・対応バンド・5Gの掴み)

同じ楽天モバイルでも、端末によって5Gの掴み方やアンテナ感度が違います。結果として「同じ場所なのに、Aさんは速い/Bさんは遅い」が起こります。
特に古い端末や、対応状況が限定的な端末だと、5Gの恩恵を受けにくくなり、全体の体感が落ちることがあります。
速度傾向を判断するときは「キャリアの話」と「端末の話」を分けるのが大切です。


東京(都内)目線で見る“現実的な傾向”

ユーザーの所在地が東京であることを前提に、都内での見方を整理します。都内は基地局密度が高い一方、人も多く、屋内・地下・ビル環境も多いため、速度評価が割れやすい条件が揃っています。

東京都の実測集計という見方

みんそくには「東京都の楽天モバイル(キャリア)の速度測定結果」のページがあり、都内の測定件数を集計したレポートとして提供されています。
こうした地域別ページを見ておくと、「全国平均」よりも自分の生活圏に近い目安を持ちやすいです。
ただし同じ都内でも、地下鉄中心か、地上移動中心か、職場が高層ビルか、住宅街かで体感が変わるため、最後は“自分のルート”での確認が必要です。

都内での“ありがちな勝ちパターン”

  • 屋外や窓際で5Gを掴みやすい行動(移動中・外回り・カフェ利用)だと、快適になりやすい。
  • 自宅が比較的電波を掴みやすい構造(窓が多い、低層、基地局が近い等)だと、ストレスが出にくい。
  • 平日昼はWi‑Fi中心で、混雑時間帯の影響を回避できると満足しやすい。

都内での“つまずきパターン”

  • 地下鉄移動が多く、駅構内や地下の滞在が長い。
  • 高層ビルの奥まった席、窓から遠い会議室など「屋内の厳しい場所」が日常。
  • 平日昼休みの繁華街で動画や大容量通信を多用する。

このあたりに当てはまるほど、「楽天モバイルは平均値より“場所依存が強い”」という性格が効いてきます。


体感別:必要速度の目安(傾向の読み替え)

速度の数値(Mbps)だけ見ても、実際に何ができるかが分からないと判断に使いにくいです。ここでは一般論として、「体感」を基準に傾向を読み替えます。

  • SNS・地図・検索:速度の上限よりも、Pingや混雑の影響(反応の速さ)が効きやすい。
  • 動画:高画質ほど安定した下りが必要で、混雑時にカクつくかが分かれ目。
  • オンライン会議:上り速度と安定性が重要で、5Gが安定すると有利になりやすい。
  • ゲーム:下りよりPingや揺らぎが重要で、混雑や屋内条件で差が出やすい。

楽天モバイルは、5Gの数値が良い局面があり得る一方で、混雑や屋内での“安定性”が満足度を左右しやすいので、「最高速度」より「いつもの場所で安定するか」を優先すると見極めを外しにくいです。


乗り換え判断に使える「速度チェック方法」

速度の見極めは、机上の比較より“自分の生活圏で測る”のが結論として最も確実です。みんそくの都道府県別ページなどを参考にしつつ、次のように現地チェックすると失敗を減らせます。

チェックする場所(優先順)

  • 自宅の一番長くいる場所(寝室・リビング)
  • 職場の席(特に昼休み帯)
  • 最寄り駅、乗換駅、地下区間
  • よく行く大型商業施設(フードコートなど混む場所)

チェックする時間帯(優先順)

  • 平日昼(12時台)
  • 平日夜(18〜22時)
  • 休日午後(商業施設が混む時間)

チェックの仕方

  • 速度テストは“同じ場所で3回”測って平均感を見る(1回だけだとブレます)。
  • 数字より「動画が止まらないか」「SNSの画像がすぐ出るか」をセットで確認する。
  • 5G表示が出る場所と出ない場所で、体感がどれくらい変わるかを見る。

速度が遅いときの現実的な対策(優先順位)

楽天モバイルに限らず、モバイル回線が遅いときの対策は「端末側でできること」と「環境を変えること」に分かれます。ここでは、すぐできる順に並べます。

  • 再起動、機内モードON/OFFで電波を掴み直す(混雑ではなく“掴みが悪いだけ”のことがある)。
  • 同じ建物内でも窓際に移動する(屋内減衰の影響を減らす)。
  • 5Gが不安定で4Gに頻繁に落ちる場合、場所を変える(“安定して掴める方”が体感は良いことがある)。
  • 混雑時間帯の大容量通信はWi‑Fiに逃がす(昼休み帯の体感改善に効きやすい)。

「どうしても自宅が弱い」だけは、設定より環境依存が大きいので、ここは最初から“自宅での実測”を最重要にするのが合理的です。


まとめとしての“楽天モバイル速度傾向”の読み方

楽天モバイルの速度傾向は、公開レポート上「5G領域の中央値が強い」一方で、「全体合算では中位帯」であるという二面性が見えます。
そして、みんそくのような実測集計では平均値として一定水準が出ている一方で、評価としては他社より劣る場面があることも示唆されています。
この2つを合わせて考えると、「5Gが使える生活圏なら強みが出るが、場所・時間帯・屋内条件でブレやすいので、乗り換え前後に“自分の行動範囲”で検証するのが正解」という結論になります。

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